長生郡長南町小生田(おぶた)の禾栖神社(あわのすじんじゃ)の概要


禾栖神社(あわのすじんじゃ)は、長生郡で唯一忌部氏祖神を祀る、長生郡長南町小生田(おぶた)に鎮座する神社です。
明治期から終戦期まで指定村社に列格していました。
参拝の際は迷惑にならないよう注意してください。マムシが出るそうなので、あくまで自己責任で参拝してください。
祭神
祭神として次の神様が祀られています。
- 天太玉命(あめのふとだまのみこと)
- 少彦名命(すくなひこなのみこと)
創建の由来
江戸初期の1619年(元和5年) に「熊野神」を祀り創建されました。口伝では、当地に隠れ住んだ里見氏が「熊野神」を祀った、と伝わります。同氏が改易されたのは1614年ですから、時代的に整合性が取れます。
1656年(明暦2年)に遷座、江戸末期の1843年(天保14年)に「禾栖大神(あわのすおおかみ?)」の御神体を勧請しました。
祭神に関して、創建当初は「熊野神」(素戔嗚・伊弉諾・伊弉冉)を祀っていたはずですが、現在その名は見えません。
勧請元は不明ですが、社名と祭神から「安房神社」の勧請か再勧請のように思われます。
珍しい地名と社名
地名の「小生田(おぶた)」は、昔は「小蓋」と書きました。神社好きには、「小生(おぶ)」は、「麻生(おふ)」や「飫富(おふ)」の変化と考えたくなります。
「禾栖神社(あわのすじんじゃ)」の社名は、上でも述べましたが、祭神に天太玉命を祀ることからも「安房神社」に由来しそうです。当社の北10.5kmには、やはり太玉命を祀る「安房洲神社(あわのすじんじゃ)」が鎮座しています。
沿革
- 1619年(元和5年)、熊野神を祀り創建された(明細帳)。
- 1656年(明暦2年) に再建され、熊野宮を遷座して御祓を行った。
- 1839年(天保10年) に再建され、「両社大権現」として村内安全の祈祷を行った。
- 1843年(天保14年) 正月、禾栖大神の御神体を勧請した。
- 1854年(嘉永7年・寅年) 2月、熊野社と未栖社の両社を「大権現」と称した。
- 1859年(安政6年) に再建された。
口伝によれば、昔、里見氏がこの地に隠れ住んでいた時、熊野神がここに隠れ祀られたものと推測される。
写真図鑑
拝殿






本殿


「禾栖社」か?


鳥居




境内社
『千葉県神社名鑑』に、境内社として「八坂神社」が記載されています。こちらがそうでしょうか?



石碑


手水舎
石製の扇が置かれています。筆者は、石扇をはじめて見ました。


「禾栖御霊権現」と読める


参拝順路
Google map には神社までの道は描かれていません。
- 畑の脇を通るのですが、私有地の可能性もあるので、迷惑にならないよう注意してください。
- 神社の山の中は、マムシがいるとのことで、くれぐれも注意してください。
- すべて自己責任で、地元の方にご迷惑をかけないよう参拝してください。

「田中牧場」の西南300mほどのこの角を東方向に曲がる


私有地の可能性もあるので、迷惑にならないように注意








基本情報
社号 | 禾栖神社 |
ご祭神 | 天太玉命(あめのふとだまのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと) |
住所 | 長生郡長南町小生田741 |
参考
下記を参考にさせていただきました。
抜粋
禾栖神社(あわのすじんじゃ) 旧指定村社
祭神
天太玉命(あめのふとだまのみこと)少彦名命(すくなひこなのみこと)
境内神社
八坂神社
由猫沿革
元和己未五年創立。熊野神を祭る(明細書)。棟札の古記録に「明暦二丙中年再建、熊野宮遷座御祓。天保一〇年再建、両社大権現村内安全祓。天保一四年正月禾栖大神御神体勧請。嘉永寅年二月熊野未栖両社大権現。安政六己戊年再建」と記す。口伝によれば、往時、里見氏が当地に密居、熊野神隠れされたものと推察される。昭和五四年社殿改修。同五九年本殿改修、銅板茸とする。
書籍
- 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年