習志野市津田沼の菊田神社の概要


菊田神社は、創建年不詳、習志野市津田沼に鎮座する神社です。
810年代(弘仁年間)には存在、往昔は「久久田大明神」や「菊田大明神」などと称していました。
明治期から終戦期まで村社に列格していました。
「久久田(久々田)」の地名は、「長々田」や「クコ(植物名)田」などに由来するという説があります(『千葉県地名大辞典』)。
祭神
祭神として次の神様が祀られています。
- 大己貴大神(おおなむちのおおかみ)(大己貴命、大国主命)
- 藤原時平命
- 伊弉諾命(いざなぎのみこと)
- 大山祇命(おおやつみのみこと)
- 保食尊(うけもちのみこと)
- 水速女命(みずはのめのみこと)
- 『千葉県神社名鑑』には2柱目の神の記載なし、公式サイトには3~6柱目の神様の記載なし
当社の主な流れ
- 平安時代の810年代(弘仁年間)には存在。「久久田大明神」と称す。当時は、境内地は小嶋だった。
- 901~923年(醍醐天皇の御代延喜)、藤原師経・藤原師長なる人物が、藤原時平を合せ祀る
- 1751〜1762年(寳暦年間)、「菊田大明神」と改名
- 大正元年、区内各町(本郷・丸田・下宿・浜宿)の八坂神社・金刀比羅神社・大山祗神社・水神社・稲荷社・雷神社の御祭神を合祀
藤原師経(もろつね)と藤原諸常(もろつね)
当社と当社近隣の「子守神社」の由来に、「藤原モロツネ」と読むと思われる、異なる漢字の人物が登場します。
- 菊田神社:藤原師経
- 子守神社:藤原諸常
伝承は以下の点で共通します。
- 治承4年(1180)、藤原時平の子孫の藤原モロツネが、東国へ配流される
- 「久々田明神(=菊田神社)」(または「素加天王神社(=子守神社)」)を崇め、藤原時平を祀る
- 三山(または深山)に居住。三山は二宮神社鎮座地のこと
両伝承共に、矛盾なく共存できるようなので、式内社論争でよく見かける「力のある社が伝承を持っていった」といった訳ではないように思われます。藤原モロツネは、当地で広く、祖先 時平を祀ったのでしょう。
創建・祭神に関する参考情報
当社の創建・由緒に関しては、公式サイトやWikipedia に詳しく記載されています。
『千葉県神社名鑑』抜粋
菊田神社(きくたじんじゃ) 旧指定村社
祭神
大己貴命(おおなむちのみこと)伊弉諾命(いざなぎのみこと)大山祇命(おおやつみのみこと)保食尊(うけもちのみこと)水速女命(みずはのめのみこと)
境内神社
金刀比羅神社・三峯神社・子安神社・大杉神社・道祖神社
由緒沿革
往昔、当神社は久々田大明神と称し、宝暦年間、桃園天皇の御代に社名を菊田大明神と改称した。久々田の郷の守護神として祀られ、国土安穏・五穀豊穣・厄難除け縁結び・安産・商売繁昌の神として崇敬され信仰を集めている。
写真図鑑
拝殿








鳥居




狛犬




境内社、摂社、末社









神輿庫

その他






参拝順路




基本情報
社号 | 菊田神社 |
ご祭神 | 大己貴大神(おおなむちのおおかみ)、藤原時平命、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、大山祇命(おおやつみのみこと)、保食尊(うけもちのみこと)、水速女命(みずはのめのみこと) |
境内社 | |
住所 | 習志野市津田沼3-2-5 |
その他 | ■菊田神社 https://kikuta-jinja.jp/ ■千葉市立郷土博物館:研究員の部屋3 https://www.city.chiba.jp/kyodo/katsudo/kenkyuin3.html |
参考
上記のWeb サイトのほかに、下記を参考にさせていただきました。
- 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
- 『千葉県地名大辞典』川村 優 等 著 1984年