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船橋市三山の二宮神社

延喜式神名帳にて下総国 式内社「寒川神社」に比定される「二宮神社」は、「京成大久保」駅から北へ 2km、学校や住宅地が密集する三山地域の鎮守の森に鎮座する神社です。

28基ある船橋市指定文化財のうち、実に下記4基が本社のもので、境内に設置されたそれぞれの説明書を見ながら参拝することもできます。

  • 二宮神社社殿
  • 齋藤その女等奉納句額
  • 二宮神社の神楽
  • 二宮神社のイチョウ

また、本社は千葉県指定文化財 無形民俗文化財「下総三山の七年祭り」を執り行う九つの神社の一つでもあります。

社殿

社殿再建は安永年間(1772~81)。拝殿の唐破風(からはふ)は横方向に大きく迫力があります。


鳥居

船橋市指定文化財 天然記念物「二宮神社のイチョウ」

境内社(境外社)、社務所、神楽殿、神輿庫

その他

一之鳥居と二之鳥居の間の窪地、御手洗之泉(みたらしのいけ)

一之鳥居を降り窪地を進むと、右前にコンクリートで囲まれた小さな池「御手洗之泉(みたらしのいけ)」があります。泉脇の石碑には、ここから湧き出た水をかつては農耕に利用していたと記述があります。書籍『房総の古社(1975年)』によると、ここから流れ出た水は「水草の茂った相当広い池を形成し、北方へ迂回してもう少しつづいている。この水流の地域を『ミタラシ』といっている。」と記述があります。神職の方曰く、池があった箇所は現在、駐車場になっているそうです。

駐車場

かなり広い駐車場です。かつては「水草の茂った相当広い池」だったそうです。

本殿裏の森

境外北から見た鎮守の森。本殿の裏に小さな台地のようなものが見えます。古墳でしょうか?

『成田名所図会』(別名『成田参詣記』│1858年)の二宮神社の図

『成田名所図会』は江戸から成田山新勝寺までの参詣路の名所を記した書物で、その中に「三山明神社の図」として本社が紹介されています。当時は二宮神社でなく、村の名前から三山明神社と称していたようです。

窪地、二之鳥居、その後のイチョウ、拝殿、本殿、神楽殿などが、現在も面影を残しているのがわかります。

参拝順路

南の一之鳥居からの参拝

東の入り口からの参拝

『延喜式』神名帳記載の式内社「寒川神社」は本社か?

『延喜式』(927年完成)神名帳に記載の千葉郡の「寒川神社」というのが、現存する神社のどれなのかについて、二つの候補が上がっています。すなわち、船橋市三山の二宮神社と千葉市中央区寒川の寒川神社です。

近世以来の諸書による比定

三山神社を『延喜式』記載の下総の『寒川神社』に推す書には、以下のような記述があります。

『下総国旧事考』清宮 秀堅(1809年生)

千葉郡三山村ニアル、三山明神ナルベシ。(三山ハ、和名抄ノ山家郷ノ内ト見ユ)

『特選神名牒』栗田 寛 等 1876年

寒川よりは三山村の方、立ちまさり、式内なるべく思はれる。

『神祇志料』栗田 寛 1876年~1887年

今、三山村にあり。三山明神といふ、蓋是也。

『大日本史 神祇志』1887年

今、三山村に在り。三山明神と称す。蓋し、相模の寒川ノ社に祀る所と同じ神なり。

詳細情報

社号二宮神社
ご祭神
境内社
由緒・歴史
神紋
住所船橋市三山5-20-1
その他
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