佐倉市飯野の大鷲神社の概要


大鷲神社は、創建年不詳、佐倉市飯野に鎮座する社です。
祭神は安産の神「おわしさま」です。筆者はその源流を「天日鷲命(あめのひわしのみこと)」と考えています。
佐倉市のいくつかの集落で見られる「お鷲講」の祠のひとつで、飯野の「おわしさま」と呼ぶそうです。
『千葉県神社名鑑』『昔日佐倉拾遺録』『佐倉市史』に神社情報の記載なし、『佐倉市史 民俗編』の「女おびしや」の項目で、やっと社名が確認できました。
鳥居はなく、住所の番地も振られておらず、上述の通り文献情報もないため、見つけるのに大変苦労しました。
飯野のお鷲講
佐倉市の飯野、飯田、先崎、江原の集落の女性は、「お鷲講」をむすび、「おわしさま」をあつく信仰しているそうです。
初酉(11月(旧暦10月)の最初の酉の日)に行われる「女おびしゃ」では、当社の屋根を葺き替えて餅を投げる行事があるそうです。
写真図鑑
社殿周辺の風景



社殿
覆屋の中に社殿、その中に石祠が祀られています。
少し朽ちかけていますが、筆者はこの朱と黒の流造の社殿がとても好きです。








参拝順路

丘のすぐ手前、右手に「建設業安全衛生教育センター」のある十字路を左に曲がる。





基本情報
社号 | 大鷲神社 |
ご祭神 | 安産の神「おわしさま」 |
住所 | 佐倉市飯野 https://maps.app.goo.gl/dBuufAcwUEScovAr5 |
参考
下記を参考にさせていただきました。
抜粋
P702
第七章 民族知識 第三節 呪いと保険
(前略)現代は産育に関する方法は大きく変わったが、お産は女の大役ということには変りはない、安産・子育て・難病平癒・病魔退散等と共に多くの呪術がされていた。
(中略)
大鷲神社を村に祭ってあるところでも祭神がお産の神であるといわれ、女達でお鷲講をむすんで信仰があつい。飯田ではお鷲講の御奉射があって伝統的な芸能の奉納が今も行われている。また飯野のお鷲講ではお鷲神社の前の草屋根を毎年葺き替えて餅をなげる行事が今も毎年行われている。鸕鶿草葺不合尊の神話に続く伝承であろうか。
<「大鷲神社(飯野)」の写真の説明書>
飯野の女おびしやでお鷲さまの屋根を葺き替えて餅をなげているところ
P774
第八章 ロ承文芸 三 信仰伝説
安産の神鷲神社
飯野や江原ばかりでなく、「おわしさま」は大てい安産の神である。
書籍
- 『佐倉市史 民俗編』佐倉市史編さん委員会、佐倉市 編 1987年