麻賀多神社とは?
麻賀多神社(まかたじんじゃ)は、農業振興神「和久産巣日神(わくむすびのかみ)」を祀る神社で、日本国内では唯一、印旛沼周辺にのみ複数鎮座する珍しい神社です。
麻賀多神社の名を冠する神社は、現在30社近くがその存在を確認できますが、面白いことにそのどれもがここ千葉県は西印旛沼の東部から南部にかけてにのみ集中的に鎮座しています。稲荷神社や八幡神社が、日本各地のあらゆるところに鎮座しているのと比べると、まるで様相が異なります。
麻賀多神社には、麻賀多十八社(印旛十八麻賀多)と呼ばれる18社のほか、その周辺にいくつかの分社が鎮座しています。
麻賀多神社は、産業を司る「和久産巣日神(わくむすびのかみ)」または「稚産霊命(わくむすびのみこと)」を御祭神としています。最初の麻賀多神社である船形の麻賀多神社を造営したのが、印旛の開拓を指示した印旛国造(いんばのくにのみやつこ)伊都許利命(いつこりのみこと)であることからも、印旛沼周辺の開発および農産業振興と麻賀多神社との深いつながりが伺えます。

「農業振興」「麻」「いんば」と聞くと、古語拾遺に記載されている、麻の栽培を目的に入植した斎部(いんべ)氏を思い起こしてしまいます。
麻賀多十八社(印旛十八麻賀多) 一覧
「麻賀多十八社(印旛十八麻賀多)」には、佐倉市の11社、酒々井町の2社、成田市の2社、富里市の2社、八千代市の1社の計18社が含まれています。
麻賀多十八社の地図
- 紺色:麻賀多神社(麻賀多十八社)
- 水色:麻賀多神社(十八社以外)
- 黄色:宗像神社
- 赤色:鳥見神社
麻賀多神社とは?
「麻賀多神社」は、全国で唯一印旛周辺にのみ鎮座する、農業神 稚産霊命(わかむすびのみこと)または稚日霊命(わかひるめのみこと)を祭神とする神社です。「麻賀多十八社」という古くからの社を含め、現在30社ほどが確認できます。
印旛周辺の麻賀多神社・宗像神社・鳥見神社は、動物が縄張りを作るがごとく、お互いの守護するエリアを侵すことなく住み分けているように見えます。
麻賀多十八社
- 麻賀多神社 本社(成田市台方 字稷山1)
- 麻賀多神社 奥津宮(成田市船形834)
- 佐倉藩鎮守 麻賀多神社(佐倉市鏑木町933-1)
- 大蛇町麻賀多神社(佐倉市大蛇町385-1)
- 城麻賀多神社(佐倉市城777-5)
- 麻賀多神社(佐倉市大佐倉183)
- 太田麻賀多神社(佐倉市太田1505)
- 大篠塚麻賀多神社(佐倉市大篠塚1106)
- 江原新田 麻賀多神社(佐倉市江原新田1)
- 飯田麻賀多神社(佐倉市飯田1400)
- 飯野麻賀多神社(佐倉市飯野768)
- 岩名麻賀多神社(佐倉市岩名250)
- 高崎麻賀多神社(佐倉市高崎49)
- 下宿麻賀多神社(印旛郡酒々井町酒々井204)
- 下台麻賀多神社(印旛郡酒々井町下台159)
- 新橋麻賀多神社(富里市新橋818)
- 中澤麻賀多神社(富里市中沢503)
- 麻賀多神社(八千代市神野763付近)


麻賀多十八社の住所
麻賀多十八社 | 住所 |
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佐倉藩鎮守 麻賀多神社 | 佐倉市鏑木町933-1 |
大蛇町麻賀多神社 | 佐倉市大蛇町385-1 |
城麻賀多神社 | 佐倉市城777-5 |
麻賀多神社 | 佐倉市大佐倉183(旧住所:大佐倉1500付近) |
太田麻賀多神社 | 佐倉市太田1505 |
大篠塚麻賀多神社 | 佐倉市大篠塚1106 |
江原新田 麻賀多神社 | 佐倉市江原新田1 |
飯田麻賀多神社 | 佐倉市飯田1400 |
飯野麻賀多神社 | 佐倉市飯野768 |
岩名麻賀多神社 | 佐倉市岩名250 |
高崎麻賀多神社 | 佐倉市高崎49 |
下宿麻賀多神社 | 印旛郡酒々井町酒々井204 |
下台麻賀多神社 | 印旛郡酒々井町下台159 |
麻賀多神社 | 成田市台方 字稷山1 |
麻賀多神社 奥宮 | 成田市船形834 |
新橋麻賀多神社 | 富里市新橋818 |
中澤麻賀多神社 | 富里市中沢503 |
麻賀多神社 | 八千代市神野763付近 |


麻賀多十八社の記事一覧
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麻賀多神社 奥津宮(手黒社)│成田市船形字手黒
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麻賀多神社 本社(稷山社)│成田市台方字稷山
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城麻賀多神社│佐倉市城
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高崎麻賀多神社│佐倉市高崎
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大篠塚麻賀多神社│佐倉市大篠塚
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飯野麻賀多神社│佐倉市飯野
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岩名麻賀多神社│佐倉市岩名
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飯田麻賀多神社│佐倉市飯田
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麻賀多神社│八千代市神野
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麻賀多神社│佐倉市大佐倉
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下宿麻賀多神社│酒々井町酒々井
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中澤麻賀多神社│富里市中沢
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新橋麻賀多神社(正一位麻賀多大明神)│富里市新橋
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大蛇麻賀多神社(おおじゃまかたじんじゃ)│佐倉市大蛇町
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下台麻賀多神社│印旛郡酒々井町
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佐倉藩鎮守 麻賀多神社│佐倉市鏑木町
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江原新田麻賀多神社│佐倉市
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太田麻賀多神社│佐倉市太田
千年前は麻賀多十七社?
印西市戸神の宗像神社の看板には、下記のような記述があります。一千年前は、麻賀多十七社だったのでしょうか?
「約一千年程前、印旛沼、手賀沼、利根川、牛久沼、霞ケ浦等この一帯が未だ内海であった頃、印旛沼、手賀沼沿岸に、宗像神社十三社、鳥見神社二十社、麻賀多神社十七社が全国に類を見ない得意な形態で配祀されました。」


その他の麻賀多神社 一覧
駒形神社は、「小麻賀多」→「こまがた」→「駒形」の変化か?
麻賀多神社 | 住所 |
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高岡麻賀多神社(鏑木町より分社) | 佐倉市高岡266 |
中台麻賀多神社 | 成田市中台4-26 |
駒形神社(小麻賀多神社) | 佐倉市内田1 |
駒形神社(小麻賀多神社) | 八千代市勝田572 |
駒形神社(小麻賀多神社) | 八千代市上高野283 |
駒形神社(小麻賀多神社) | 八千代市保品(現在は未確認) |
駒形神社(小麻賀多神社) | 印旛郡酒々井町上岩橋1795 |
駒形神社(小麻賀多神社) | 富里市久能553 |
駒形神社(小麻賀多神社) | 富里市大和603−1 |
麻賀多神社 | 成田市公津新田121 |
麻賀多神社 | 成田市米野121 |
麻賀多神社関連の年表(更新中)
110年頃 (景行天皇治世) | 後の奥宮にて日本武尊が大杉に鏡を掛ける。 当地での五穀豊穣祈願の開始。 |
270~310年 (応神天皇) | 印波国初代国造に就任した伊都許利命が ・杉の木の下より七つの玉を掘り出し、鏡と共に祀り、奥宮を創建。祭神は稚日霊尊と稚産霊尊 ・天御中主命に祈り、息子の病が回復 ・山田宗像神社(倭武命奉斎、景行天皇が「宗像宮」と号す)を奉祀?(『神社名鑑』) ・印旛沼の治水と殖産振興を計って平賀に宗像三神を祭る。平賀宗像神社の創建か?(『神社名鑑』) |
608年 (推古天皇16年) | 広鋤手黒彦(伊都許利命七代の孫)が稷山に稚産霊神を遷座し本社を創建 |
7世紀 | 公津ヶ原39号墳造営 |
■ 謝辞
麻賀多十八社に属する情報は、佐倉藩総鎮守 麻賀多神社様に丁寧にご教示いただきました。誠にありがとうございました。
佐倉藩総鎮守 麻賀多神社
http://www.makata.jp/■ 参考
印旛沼流域情報マップ
https://inba-numa.com/html/file/keikaku/rekishi_bunka.pdf