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茂原市本納の橘樹神社(たちばなじんじゃ)の概要

橘樹神社(たちばなじんじゃ)は、創建年不詳、茂原市本納に鎮座する神社です。

『延喜式』「神名帳」の「長柄郡 橘神社」と記載される式内社で、明治期から終戦期まで県社に列格していました。通称、橘様(たちばなさま)。 

祭神

祭神として次の神様が祀られています。

  • 弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)
  • 日本武尊(やまとたけるのみこと)
  • 忍山宿禰(おしやまのすくね)…穂積氏の人物で、弟橘媛命の父。穂積氏は饒速日命(にぎはやひのみこと)の後裔。

創建の由来

当社社伝に、71年〜130年(景行天皇の御代)、「日本武尊」が「弟橘媛」の櫛を祀って陵墓をつくり、二本の橘の木を植えたのが始まり、とあるそうです。関連文書として、『古事記』に次のように記されています。

<后(弟橘比売命)が海に入ると、荒波が凪ぎ軍船は前進することができた…>

この時、后が詠んだ歌、

さねさし 相武の小野に 燃ゆる火の 火中に立ちて 問ひし君はも
(相模の野、燃え立つ野火の、火の中に立って、私を気遣うあなた)

それから七日たって、后の櫛が海岸に流れ着いた。そこで、その櫛を取りあげ、御陵(みはか)を作って中に納めた。

参考:『古事記』角川書店 編 2002年

876年(光孝天皇八年)、日本武尊・忍山宿禰の二神が合祀されました。

社殿背後の古墳・宮ノ下遺跡

社殿背後には、弟橘媛を祀ったと言われる高さ10mほどの古墳が一基所在しています。

江戸後期、社頭が大破したため、1799年(寛政十一年)に社殿後の地所を切り開いたところ、土中から、大瓶1・小瓶4・小壺4・鉄器2が出土しました。

この時、この大瓶の中に(弟橘媛命の)御尊骸があると思ったため、封印をし本殿に収めたと伝えられますが(『日本の神々』)、後年再度埋め戻されたと言われます(西野 元)。

中央+マークが社殿。
その奥に古墳がある

境内地一帯は、縄文時代中期の「宮ノ下遺跡」と呼ばれ、縄文土器、弥生土器などが出土しています。これらは、弟橘媛の櫛が奉斎された当時のものでしょうか?

写真図鑑

拝殿

本殿

本殿の彫刻


鳥居

神明鳥居が一基、明神鳥居が三基屹立しています。

狛犬

摂社、末社

「天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)」を祀る珍しい社があります。

三社並ぶ境内社

稲荷神社:保食命

子安神社:木花開耶媛命

窟戸神社:天手力雄命


吾妻池と社

参道の左には吾妻池という細長い池があり、小さな境内社が鎮座するひょうたん島のような島が浮かんでいます。吾妻池の名称は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が亡き弟橘媛(オトタチバナヒメ)を思ってつぶやいた「あづまはや…」からとったのでしょうか。

池に浮かぶひょうたん形の島に社が建っています。社名は不明ですが、池の中の社ということは、厳島神社でしょうか?

手水

楠木正成

御神輿

社務所

その他

参拝順路

詳細情報

社号橘樹神社
ご祭神弟橘媛(オトタチバナヒメ)、日本武尊(ヤマトタケル)、忍山宿禰(オシヤマノスクネ、弟橘比売命の父)
境内社
由緒・歴史
神紋橘紋(たちばなもん)
本殿の向き
住所茂原市本納738
その他

参考

下記を参考にさせていただきました。

抜粋

『千葉県神社名鑑』抜粋

橘樹神社(たちばなじんじゃ)(通称 橘様(たちばなさま)) 旧県社

祭神
弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)日本武尊(やまとたけるのみこと)忍山宿祢(おしやまのすくね)

由緒沿革
社伝に日本武尊の御創建と伝え、「陽成天皇元慶元年五月十七日授上総国勲五等正五位の下、光孝天皇八年七月十五日授上総国勲五等正五位の上 橘神 日本武尊 忍山宿禰二神を合祀す」と記す。延喜式内小社。正慶二年九月、寛政一三年五月にそれぞ
れ改築。明治六年五月三〇日県社に列す。

神事と芸能
例大祭に三基の神輿渡御と三台の山車が町中を練り歩く。

境内由緒書 抜粋

茂原市景観資源 No.3 本納橘樹神社(ほんのうたちばなじんじゃ)

(前略)橘樹神社の社伝によれば、日本武尊が流れ着いた弟橘媛の櫛をまつって陵墓をつくり、二本の橘の木を植えたのが、橘樹神社の始まりと言われている。現在の本殿の後方にあるのが、弟橘媛をまつった古墳と言われており、境内の形が船に似ていることから帆丘(ほのおか)とも言われ、本納の地名の由来を考えられている。

Webサイト

書籍

  • 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
  • 『日本の神々 神社と聖地 11 関東』谷川 健一 編 1984年
  • 『古事記』角川書店 編 2002年
  • 『稿本弟橘比売命御事績 : 非常時日本婦人の典型』宮野千代 著 1939年

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