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相濱神社│館山市相浜

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館山市相浜の相濱神社(あいはまじんじゃ)の概要

相濱神社(あいはまじんじゃ、相浜神社)は、安房神社からほど近い、館山市相浜の漁村に鎮座する神社です。明治期から終戦期まで指定村社に列格していました。

1916年(1919年とも)、館山市相浜地区の「浪除神社(なみよけじんじゃ)」と「揖取神社(かんどりじんじゃ)」の二社を一社に合祀し(前社に後社を合祀とも)、当社「相浜神社」となりました。

祭神

元の神社のそれぞれの祭神が祀られています。

  • 日本武尊(たまとたけるのみこと)…「浪除神社」の祭神
  • 宇豆彦命(うずひこのみこと)…「楫取神社」の祭神。天富命に従い阿波から安房に来たとされる

創建から合祀までの流れ

  • 第二二代清寧天皇の辛酉(西暦480年?)に「浪除神社」が勧請され創建(勧請元は不明)
  • 江戸期、「感満寺」と同一境内に「浪除神社」が鎮座
  • 1877年(明治十年)、千葉縣令宛に『感満寺廃名不動尊改号』を提出。「感満寺」は「浪除神社」(不動尊)となる
  • 1916年(大正五年)(1919年(大正八年)とも)、相浜小字香取の「楫取神社(香取明神)」を合祀し、「相浜神社」となる

創建・祭神に関する参考情報

『千葉県神社名鑑』「相濱神社」抜粋

相濱神社(あいはまじんじゃ) 旧指定村社

祭神
日本武尊(たまとたけるのみこと)宇豆彦命(うずひこのみこと)

由緒沿革
当社は旧浪除神社と揖取神社の二社を一社に合祀した神社である。浪除神社の御祭神は日本武尊で第二二代清寧天皇の辛酉に勧請された。命は第一二代景行天皇の皇子で、東西の地をお穏かにされ国のためにご功績の多い神、楫取神社の御祭神は宇豆彦命で天富命に従ってこの地に渡り漁業を主として指導され、現在も漁業の地として栄えている。

鳥居付近の由緒書 抜粋

相浜神社

大正年間に村内の氏神を祀っていた波除神社(なみよけじんじゃ)と楫取神社(かじとりじんじゃ)が合祀され、日本武尊が祭神の相浜神社となりました。元禄年間に始まったという「御船の祭り」は、長さ8m幅1.5m車輪6輪の浪除丸を引きまわして、漁民の海上安全と大漁を祈願する神事で、活気あふれる祭りです。

森谷 ひろみ 氏 論文抜粋

四、安房坐神の鎮座地に関する伝説

三、霊地吾谷山─館山市大神宮宮ノ谷
(前略)
この絵図にある「神取明神」は、天宮命に従ってこの地に来られたという、海に詳しい宇豆毘古命(槁根津日子命)を祭神とする楫取神社の別社号であると思われる。大正五年九月楫取神社は、館山市宮崎地区相浜(あいはま)二斗田の日本武尊を祭神とする旧村社浪除神社に合祀され、新しい「相濱神社」として祀られている。
香取神社こと楫取神社の旧跡は、相浜小宇香取地籍にあるが、道路を隔てて東側は伝説に残っている大神宮の「香取」に接しており、この相浜の香取は、大神宮香取の新田的なものと思われる。

五、安房神社の歴史地理学的環境

三、江戸時代の安房神社とその周辺
(前略)
江戸時代以来感満寺と同一境内に浪除神社が祀られていたようであるが、明治初年の神仏分離以後、感満寺はこの浪除神社となり、その後相浜小字香取にあった楫取神社(香取明神)を合祀し、相浜神社という称号に変っている。感満寺の称号を廃し浪除神社こと不動尊と改号したいきさつについては、明治十年二月千葉縣令宛に提出した『感満寺廃名不動尊改号』によって知ることが出来る。(後略)

『安房国式内社に関する歴史地理学的研究-6-安房郡安房坐神社について』
森谷 ひろみ 千葉大学教養部研究報告 A / 千葉大学教養部 編 (8) p1-84,図1枚, 1975

『民間信仰 第1号 (安房神社周辺地域)』抜粋

相浜神社

相浜神社は、大正八年頃、松崎の氏神である楫取神社が、二斗田の氏神である浪除神社に合祀されたものである。

写真図鑑

社殿

本殿の前に、珍しい造りの広々とした拝殿(?)が建っています。

鳥居

常夜灯

境内社、摂社、末社

力石、石碑

手水舎

神輿庫

二斗田集会所

境内風景

参拝順路

基本情報

社号相浜神社
ご祭神日本武尊(たまとたけるのみこと)、宇豆彦命(うずひこのみこと)
境内社
住所館山市相浜42
その他■館山市立博物館 相濱神社
http://history.hanaumikaidou.com/archives/14290
■館山市立博物館 忌部の足跡を訪ねて
http://history.hanaumikaidou.com/archives/5696

参考

上記のWeb サイトのほかに、下記を参考にさせていただきました。

  • 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
  • 『日本各地を開拓した阿波忌部の足跡 : 古の『古語拾遺』の記憶. 安房国編』林 博章 編著 2006年
  • 『安房国式内社に関する歴史地理学的研究-6-安房郡安房坐神社について』森谷 ひろみ 千葉大学教養部研究報告 A / 千葉大学教養部 編 (8) p1-84,図1枚, 1975
  • 『式内社の歴史地理学的研究 : 安房国・伊豆国三宅島の場合』森谷恵 出版、森谷ひろみ 著 1977年4月
  • 『民間信仰 第1号 (安房神社周辺地域)』神道研究会編集委員 編 1972年

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