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龍田神社│香取市津宮

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香取市津宮の龍田神社の概要

龍田神社は、創建年不詳、香取市津宮に鎮座する、香取神宮 境外末社です。

神社と公園が境界なくくっついているケースは何社か見てきましたが、完全に一体化しているのは初めて見ました。

三社が横に並んだ配置

社殿は、風の神様の小祠が三基。その両脇に、合祀した「御霊宮」「渕生稲荷神社」(ふじきいなりじんじゃ)の社が建っています。

右側の「渕生稲荷神社」の社殿の方が立派であるため、むしろそちらが本宮かと勘違いしそうです。

祭神は風神三社

祭神は、近隣住民に”天候の神””お百姓の神”と尊ばれたという、次の「風神三社」です。

  • 級津彦神(しなつひこのかみ)
  • 級津姫神(しなつひめのかみ)
  • 倉稲魂神(うかのみたまのかみ)

級津彦神・級津姫神は、伊邪那岐・伊邪那美より産まれた「風」を司る神々です。ちなみに、「しな」は「息が長い」ことを意味するそうです。

調べた限り、倉稲魂神を含めて「風神三社」とするのは当社独自のようです。

もとは「風神神社」か?

『千葉県神社名鑑』に、当社近隣に鎮座する忍男神社(おしおじんじゃ)の境内に、1960年、「風神神社」なる社を合祀したという記載があります。

この「風神神社」が当社の前身のように思えます。

社名「龍田神社」のなぞ

奈良県生駒郡三郷町に、「しなつひこのかみ」「しなつひめのかみ」を祀り、「風神様」として親しまれる「龍田大社」という式内社があります。

当社社名は、こちらの社から取ったものでしょうか?

創建・由緒

『新修 香取神宮小史』抜粋

龍田神社

津宮にあり、級津彦神(しなつひこのかみ)、級津姫神(しなつひめのかみ)、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)を祀る。

『佐原市史』抜粋

風神神社

級長津彦ほか二神

境内看板『風神様(龍田神社)』抜粋

風神様(かざがみさま)(龍田神社(たつたじんじゃ))

香取神宮の末社、”天候の神””お百姓の神”と尊ばれた風の神々である、うかのみ玉命、しなつ彦命、しなつ媛命(風神三社)を祭っている。境内東側に元渕生(ふじき)の利根川岸にあった「渕生稲荷神社」が明治44年の河川改修工事のため当地に合祀された。また昭和44年には、鹿島線開通による香取駅の拡張工事のため、香取駅南側にあった「御霊宮」を境内西側に遷した。風神様には五社が祭られている。

以下は、近隣の忍男神社に関する『名鑑』の記述です。

『千葉県神社名鑑』抜粋

忍男神社(通称 東宮)

祭神
伊邪那岐紳(いざなぎのかみ)級長津彦命(しなづひこのみこと)倉稲魂命(うがのみたまのみこと)級長戸邊命(しなとべのみこと)

境内神社
風神神社

由緒沿革
創建不詳。香取神宮の摂社で、香取神宮浜手守護神である。神宮造営ごとに社殿を改造す。往昔、六月晦夏越祓があり、また白状祭という祭典もあったが今は行なわれていない。昭和三五年五月一六日風神神社を合祀。

写真図鑑

龍田神社

級津彦神(しなつひこのかみ)、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)、級津姫神(しなつひめのかみ)が祀られています。

境内社

渕生稲荷神社(ふじきいなりじんじゃ)

元渕生(ふじき)の利根川岸にあった「渕生稲荷神社」が、明治44年の河川改修工事のため当地に合祀されました。

御霊宮

香取駅南側にあった「御霊宮」が、鹿島線開通による香取駅の拡張工事のため、昭和44年に境内西側に遷されました。

仏像、石碑

境内風景

基本情報

社号龍田神社
ご祭神級津彦神(しなつひこのかみ)、級津姫神(しなつひめのかみ)、倉稲魂神(うかのみたまのかみ)
境内社
住所香取市津宮712
その他

参考

上記のWeb サイトのほかに、下記を参考にさせていただきました。

  • 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
  • 『新修 香取神宮小史』香取神宮社務所 編 1995年
  • 『佐原市史』佐原市 著 1966年
  • 『鹿島神宮』東 実 著 1968年

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