千葉市若葉区坂月町の坂月神社(さかづきじんじゃ)の概要


坂月神社(さかづきじんじゃ)は、創建年不詳、千葉市若葉区坂月町に鎮座する神社です。
石碑の「文化三年」の刻印から、1806年にはその存在が確認されます。明治期から終戦期まで村社に列格していました。
2022年10月に参拝した際、社殿が倒壊したのか、ブルーシートに囲われていました。しかし、2024年7月に訪れた際は、木目と赤い屋根が大変美しい、新しい社殿が建っていました。流造好きの筆者は、しばらくの間、見入ってしまいました。
当社には鳥居が見当たりません。元々ないのか、近年撤去されたのかは不明です。
祭神
祭神は、月夜見命(つきよみのみこと)です。
月読命を祀る神社は、なかなか珍しいですね。
境内社
『千葉県千葉郡誌』に、次の境内社の名があります。
- 天神社
- 疱瘡神社
- 疫病神
- 日枝神社
- 羽黒神社
「坂月」について
「坂月」の読み方ですが、「坂月神社」「坂月町」は「さかづき」、「坂月川」は「さかつき」と読むようです。
当地名の由来に関し、江戸時代の『歌枕藻塩草』という書物に次のようにあるそうです(『千葉県地名大辞典』)。
『歌枕藻塩草』
盃井というを挙げて下総とす、坂月村のことにや、
東路に さしてこんとは 思はねど 盃の井に 影をうつして
以下筆者訳
「盃井(さかづきのい)」という場所を取り上げて、下総(しもうさ)の地だとしている。これは坂月村のことだろうか?
(和歌)
東国へ旅するつもりではなかったけれど、この「盃の井」にわが姿を映しているよ
上古は海を見おろす祈りの場だったか?
当社周辺、加曽利一帯に住んでいた縄文・弥生の人々は、海を見おろす当地で何かしらの祈りを捧げていたのでしょうか?

高台の海に面する部分に神社が存在する傾向が見て取れる
写真図鑑
社殿






境内全景




境内社、摂社、末社


六つ星紋か?
この家紋と千葉氏との関連は不明





手水舎
手水の屋根も新しく美しいです。


その他



(この手のもの、捨てるなら記念にいただきたいですね…)

往古はリアス式海岸の広がる浅瀬であったか
参拝順路





基本情報
社号 | 坂月神社 |
ご祭神 | 月夜見命(つきよみのみこと) |
住所 | 千葉市若葉区坂月町71 |
参考
下記を参考にさせていただきました。
抜粋
坂月神社(さかづきじんじゃ) 旧村社
祭神
月夜見命(つきよみのみこと)
由緒沿革
創立の年代は詳らかでないが、境内に「安政五年九月吉日」「文化三年」と銘した碑石があり、したがって今より一八〇年以前から鎮座していたことが明らかである。
坂月神社
千城村坂月字殿地に鎮座す。月夜見命を祀る。(中略)境内神社天神社疱瘡神社疫病神日枝神社羽黒神社あり。氏子ニ十七戸なり。
書籍
- 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
- 『千葉県千葉郡誌』千葉県千葉郡教育会 編 1972年
- 『千葉県地名大辞典』川村 優 等 著 1984年