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佐倉市上勝田の煉瓦造りアーチ橋
概要
佐倉市上勝田の「煉瓦造りアーチ橋」は、総武本線を南酒々井駅から榎戸駅方面へ660m ほど下った線路の下に所在する、煉瓦4枚巻きアーチ状の2つの橋で、1897年、総武鉄道開通に伴い建設されました。
南酒々井駅側にあるのが「上勝田第一アーチ橋」の下には、車一台通るのがやっと程度の細い道路が通っています。そこから50m ほど南の「上勝田第二アーチ橋(上勝田第二号橋梁)」には、八街から印旛へ続く南部川が流れています。こちらは、人が渡ることはできません。
探訪の感想
みどり燃ゆる里山の自然の中を、機械仕掛けの列車が不愛想に突っ切っていきます。「明治から昭和の日本は、どこもこうだったのだろうな…」などと知ったかぶりの望郷の念に駆られます。
観光施設やレストランなどで見かける赤レンガを模した内・外壁はそう珍しくないと思いますが、本物の赤レンガ造りの構造物で、長期間機能しているものとなると、千葉市界隈ではすぐに例が浮かびません。千葉大学の亥鼻キャンパスあたりにはあるのか? 都内の古い大学や赤レンガ倉庫などでは見られるのか? そう考えると、100年以上前から現代にいたるまでその場所にどっしりと存在し続ける煉瓦造りの構造物を見ることができるのは、なかなかに貴重な体験かもしれません。
100年以上もの間、落ちたり崩れたりせず、そのままの状態を保ち続けているT字アーチの煉瓦。色あせ傷ついた煉瓦一つひとつが、力学的に重要な意味合いを持っているのでしょう。
1.上勝田第一アーチ橋
西側から見た上勝田第一アーチ橋
内側から見た上勝田第一アーチ橋
東側から見た上勝田第一アーチ橋
上勝田第一アーチ橋の説明書き
看板「JR東日本の歴史的建造物」
上勝田第1アーチ橋
総武本線 南酒々井~榎戸間│千葉県佐倉市│明治30年開業│3.66m
煉瓦造りのアーチ橋で翼壁の天端には軒蛇腹が見られる。
アーチ部は煉瓦4枚巻きになっている。
上勝田第一アーチ橋の煉瓦四枚巻きのアーチ
上勝田第一アーチ橋の翼壁
上勝田第一アーチ橋の天端の軒蛇腹
2.上勝田第二アーチ橋(上勝田第二号橋梁)
西側から見た上勝田第二アーチ橋
東側から見た上勝田第二アーチ橋
詳細情報
社号 | 上勝田第一アーチ橋 上勝田第二アーチ橋(上勝田第二号橋梁) |
住所 | 千葉県佐倉市上勝田 地 先 |
その他 | ■佐倉市HP 煉瓦造りアーチ橋 https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/wadakominkan/4/2499.html ■佐倉市HP 和田地域めぐり散策コース https://www.city.sakura.lg.jp/material/files/group/64/wada-sansaku-course.pdf ■千葉県立博物館HP JR東日本上勝田第1アーチ橋 https://www.chiba-muse.or.jp/SCIENCE/sanko/pages/058.html ■千葉県立博物館HP おもな産業・交通遺跡2 https://www.chiba-muse.or.jp/SCIENCE/roman/2koutu.html |
参考
上記のWeb サイトのほかに、下記を参考にさせていただきました。
- 『和田の伝承』佐倉市立和田公民館他 編 1998年