香取市大戸の大戸神社の概要


大戸神社は、香取市大戸に鎮座する、香取神宮 境外摂社です(明治以前は第一末社)。
景行天皇40年(111年)に蝦夷征伐祈願のため大戸の地に勧請、幾度かの遷宮(同地区内)を経て、孝徳天皇元年(650年)に現在地に宮柱造営されました。
明治期から終戦期まで県社に列格していました。
祭神
祭神は、出典により異なります。
- 天手力男命(あまのたぢからおのみこと)(出典:境内由緒書)
- 磐筒男神、磐筒女神(両神は経津主神の御親神)(出典:『新修 香取神宮小史』)
- 天鳥船命(出典:『佐原市史』)
相殿に次の二柱を祀るという記載もあります。
- 天照大神、手栲幡姫命(たくはたちぢひめのみこと)(出典:『佐原市史』)
創建・由緒
大戸神社
佐原市大戸にあり、社家傳説に「天武天皇白鳳年中建此社、所祭手力雄神也」とある。或は云ふ、磐筒男神、磐筒女神、即ち、経津主神の御親神を祭ると。神宝に龍面がある。木にも非ず、金石の類にも非ず、因て人作に非ずとす。昔香取郡矢作野に天降れりと。今此處を天降と称し、里人祠を建てて祭る。早魅する時、乞雨塚と云ふ處に、此の面を出し、三度水を灌ぐ時は、必ず雨を降らすと云ふ。
大戸神社
大戸字宮本に鎮座、祭神は正殿に天手力雄命。相殿に天照大神・手栲幡姫命を祀る。一説には天鳥船命を祭神とする。社伝によると景行天皇四〇年、日本武尊東征の時、夷賊征討の祈願によって、同所字大内台(宇白幡周辺)に勧請し、天武天皇白雉元年(六五〇)に現在の地に遷歴したと伝えている。香取神宮の第一末社(明治時代摂社になる)であった。応保二年(一一六二)大爾宜職譲状に「末社大戸宮神主、並社領知行同譲与」とみえ、また、仁安二年(一一六七)大禰宜真房の譲状にも「末社大戸宮社領壱所事、並件社家進止事」など記録にあるところから、香取神宮の付属社であったことがわかる。しかし、他の末社とは事情がちがい、古い時代から神領も香取・大戸とその目を分け、近世も別に神主・大禰宜その他神官があって、祭事は神宮にならいすべて大戸でとり行ない、ただ香取神宮の所務に属していただけのようである。(中略)境内末社一八座がある。すなわち道祖神三社・浅間神社二社・水神大神・高房神社・白幡神社・稲荷大神二社・大天神社・側高神社・神明大神・豊受皇大神宮・日大神社・疱瘡神社・足尾神社・日吉神社などである。
- 天武天皇白雉元年(六五〇)は孝徳天皇白雉元年(六五〇年)の誤りか?
大戸紳祉 旧県社
祭神
天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)
由緒沿革
景行天皇の御宇、日本武尊が東夷御征討のとき勧請、宮柱造営。その後天武・伏見・霊元各天皇のとき社殿の改築をし、伏見・後小松両帝より社領一万貫の御寄進があった。その後源家・北条家・豊臣家・千葉家等の武将の崇敬が厚く、御宝物、寄進状その他がある。徳川家よりは社領一〇〇石を寄せられ、明治六年県社に列せられた。香取神宮の摂社で氏子は佐原市、大栄・栗源各町、茨城県東村に及ぶ。

御祭神
天手力男命(あまのたぢからおのみこと)
創建
十二代景行天皇四〇年(一一一年)、日本武尊東征の時、蝦夷征伐祈願のため現在の香取市大戸の地に勧請し、幾度かの遷宮(同地区内)の後、三十六代孝徳天皇白雉元年(六五〇年)、現在地に宮柱造営され、明治六年(一八七三年)県社に列せられました。
社殿
その後、数回にわたり社殿改築があり、現在の社殿は、宝永四年(一七〇七年)徳川幕府将軍綱吉の手により改築されました。近年では、大正五年(一九一六年、昭和三十六年(一九六一年)、社屋・屋根・大華表を改修しております。
氏子地域
旧佐原市(現春取市)旧大栄町(現成田市)旧栗源町(現香取市)茨城県旧東町(現稲敷市)の各々一部地区にわたる五十六地区(約三、〇〇〇戸余り)であります。そして、五穀豊穣・家内安全守護・穀痛安全守護・商業繁栄の祖神として広く信仰されております。
写真図鑑
社殿周辺の風景




拝殿










拝殿向拝の彫刻




本殿







本殿の木鼻















本殿の脇障子


鳥居




境内社、摂社、末社
次の18社があるそうですが、社殿に名称が書いていないため、どれがどれにあたるか判別できません。
高房神社・側高神社は、神宮摂末社からの勧請でしょうか。
- 道祖神三社
- 浅間神社二社
- 水神大神
- 高房神社
- 白幡神社
- 稲荷大神二社
- 大天神社
- 側高神社
- 神明大神
- 豊受皇大神宮
- 日大神社
- 疱瘡神社
- 足尾神社
- 日吉神社

















手水舎


巨木








神輿庫、集会所、宝物殿




その他


参拝順路





基本情報
社号 | 大戸神社 |
ご祭神 | 天手力男命(あまのたぢからおのみこと) |
境内社 | |
住所 | 香取市大戸521 |
その他 |
参考
下記を参考にさせていただきました。
- 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
- 『新修 香取神宮小史』香取神宮社務所 編 1995年
- 『佐原市史』佐原市 著 1966年
- 『鹿島神宮』東 実 著 1968年