香取市の香取神宮の概要
香取神宮は、神武天皇一八年(紀元前643年)創建、経津主神(ふつぬしのかみ)、武斐槌命(たけみかづちのみこと)、比賓神(ひめがみ)、天兒屋根命(あめのこやねのみこと)を祭神とする、香取市香取に鎮座する神社です。
平安時代の『延喜式』神名帳に「下総国十一座 香取郡一座 香取神宮」として記載、明治期から終戦期まで官幣大社に列格していました。
日本最高格式である「神宮」のひとつ
古来から江戸時代まで、日本で最も社格の高い「神宮」に定められた神社はわずか三社のみ、そのひとつが香取神宮です(『延喜式』「神名帳」)。
近隣の鹿島神宮ももちろんこの三社のひとつですから、日本最高格式の神社の 2/3 が千葉・茨城にあったわけです。
日本三大神宮とは?
平安期編纂の『延喜式』「神名帳」には下記三社のみが最高格の「神宮」として記載されています。
- 伊勢神宮(三重県伊勢市)
- 鹿島神宮(茨城県香取市)
- 香取神宮(千葉県香取市)
香取郡は「八神郡」のひとつ
律令時代、当宮の所領である香取郡は、「八神郡」に数えられていました。
安房神社の安房郡、鹿島神宮の鹿島郡もこれに含まれるため、実に3つもの神郡が千葉県・茨城県にあったわけです。
八神郡とは?
神郡(しんぐん、かみのこおり)とは、郡全体が特定の神社の所領として帰属する郡のことです。神郡は全国で八ヵ所の記載が見え、これらは八神郡と呼ばれています。
神郡を有する神社は?
- 伊勢神宮(二群所有)
- 安房神社
- 香取神宮
- 鹿島神宮
- 熊野大社/出雲大社
- 日前神宮/國懸神宮
- 宗像神社
余談ですが、伊勢神宮や出雲大社という面々と安房神社が肩を並べているのは嬉しいですね。
「東国三社」のひとつ
「東国三社」とは、香取神宮、鹿島神宮、息栖神社の三社のことです。
江戸時代、伊勢に参った帰りに”お伊勢参りのみそぎ参り”としてこの東国三社巡り(東国三社参り)をすることが流行ったそうです。
- 香取神宮(千葉県)
- 鹿島神宮(茨城県)
- 息栖神社(茨城県)
息栖神社は、大津波のために807年に現鎮座地に遷座しました。
三社の位置関係は、往古は正三角形、現在は直角二等辺三角形に似た配置と言われています。
濃緑:鹿島神宮、薄緑:その境外摂社
濃橙:香取神宮、薄橙:その境外摂社
濃青:息栖神社、薄青:息栖神社跡地(旧鎮座地)
摂社・末社が三十社
当神宮には、実に三十社もの摂社・末社が、境内・境外に鎮座しています。
摂社9社
- 側高神社(そばたか-)
- 返田神社(かやだ-)
- 大戸神社(おおど-)
- 忍男神社(おしお-)
- 膽男神社(まもりお-)
- 鹿島新宮社
- 又見神社(またみ-)
- 奥宮
- 匝瑳神社(そうさ-)
境内末社7社
- 天降神社(あまくだり-)
- 諏訪神社
- 六所神社
- 花薗神社
- 馬場殿神社(ばばどの-)
- 櫻大刀自神社(さくらおおとじ-)
- 市神社(いち-)
境外末社14社
- 押手神社(おして-)
- 姥山神社(うばやま-)
- 佐山神社(さやま-)
- 狐坐山神社(こざやま-)
- 王子神社
- 沖宮(おきのみや-)
- 龍田神社
- 璽神社(おしで-)
- 裂々神社(さくさく-)
- 日神社
- 月神社
- 大山祇神社
- 三島神社
- 護国神社
旧摂末社
- 神崎神社(こうざき-)
- 高房神社(たかふさ-)
- 切手神社
- 東大社
- 木内神社
当サイトでは、香取神宮の摂社・末社を下記のページに一覧表示しています。
見所多数
目が見えない子がいるので見学は静かに
店長の香取氏(!)の香取神宮話は最高
当宮は、敷地が大変広いうえ、奥宮をはじめとする複数の摂社・末社だけでなく、神楽殿、鹿苑、寒香亭、香雲閣、御神木、神池、商店会などがあり、一日や二日ではとても周りきれないほどたくさんの見所があります。
限られた時間で目当てのものを参拝・見学するためには、案内図が欠かせません。紙パンフレットが品切れの場合は、PDFデータを公式サイトからゲットするととても便利です。
創建・由緒
神武天皇一八年(紀元前643年)、創建年代および由緒不詳、平安時代に『延喜式』神名帳に記載(式内社)、明治期から終戦期まで官幣大社、経津主神(ふつぬしのかみ)、武斐槌命(たけみかづちのみこと)、比賓神(ひめがみ)、天兒屋根命(あめのこやねのみこと)を祭神とする神社です。
摂末社として、摂社9社・末社21社の計30社が境内・境外に鎮座しています。
香取神宮(通称 香取さま) 旧官幣大社
祭神
経津主神(ふつぬしのかみ)武斐槌命(たけみかづちのみこと)比賓神(ひめがみ)天兒屋根命(あめのこやねのみこと)
境内神社
奥宮・鹿島新宮・又見神社・桜大刀自神社・匝瑳神社・向栄神社•他九社
由緒沿革
祭神経津主神は、国の本義たる皇基の確立に偉大なる御神威を顕現された。社号を神宮と称せられ、国家鎮護の神、武の祖神として信仰されるのは玆に由来する。延喜式の制においては、月次•新嘗の官幣に預る名神大社で、神階正一位勲一等・下総国一之宮と仰がれ、明治四年官幣大社に列し、昭和一七年勅祭の御治定があった。神武天皇一八年の創建と伝え、弘仁三年以降二〇年毎の式年遷宮が定められていた。本殿・楼門は重要文化財の指定をうけており、神宝は、国宝海獣葡萄鏡・重文双竜文鏡・古瀬戸狛犬をはじめ、県指定文化財二〇〇余点のほか古文書多数を蔵する。
参拝順路
①津宮鳥居河岸からの往時の参詣路
鳥居をくぐり階段を登る
②佐原方面からの参詣路
道路二車線をまたぐほど大きい
現在の参詣路
ここから神域が始まる
両脇にはたくさんの石灯篭が
この日は工事中だった
総門から見下ろす景色が美しい
神域はここまで
詳細情報
社号 | 香取神宮 |
ご祭神 | 経津主神(ふつぬしのかみ)、武斐槌命(たけみかづちのみこと)、比賓神(ひめがみ)、天兒屋根命(あめのこやねのみこと) |
境内社 | 奥宮・鹿島新宮・又見神社・桜大刀自神社・匝瑳神社・向栄神社•他九社 摂社・末社は境外社合わせ三十社 |
住所 | 香取市香取1697 |
その他 | ■香取神宮公式HP https://katori-jingu.or.jp/ ■香取市HP 香取神宮信仰と式年神幸祭に見る歴史的風致 https://www.city.katori.lg.jp/culture_sport/bunkazai/fuuchi_keikaku/310326.files/Katori-rekimachi-2-2-4.pdf |
参考
上記のWeb サイトのほかに、下記を参考にさせていただきました。
- 『新修 香取神宮小史』香取神宮社務所 編 1995年
- 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年