鹿嶋市宮中の潮社(いたのやしろ)の概要
潮社(いたのやしろ)は、創建年不詳、祭神として高倉下命(たかくらじのみこと)を祀る、鹿嶋市宮中に鎮座する神社です。
鹿島神宮の境内末社で、神宮から東の下津の海岸への道すがら、海岸から2kmほどの場所にあります。
祭神の高倉下命は、神武天皇が熊野山中で長髄彦(ながすねひこ)の抵抗にあい危機に陥った際、武甕槌神の神剣「韴霊剣」(ふつのみたま)を神武天皇に献上し、勝利に貢献した神様です。
海とは関係のなさそうな高倉下命が、なぜ、神宮と海岸の間で、潮社(いたのやしろ)という社に祀られているのか、とても不思議です。
見目浦(みるめのうら)の明神とも
古くは見目浦(みるめのうら)の明神とも呼ばれていました。
香取神宮の元 附属社に、大日靈尊(おおひるめのみこと)を祀る「見目神社」(みるめじんじゃ)という社があります。こちらとの関連は不明です。
常陸の方言「潮」(いた)
当社とは関係ないエピソードですが、「潮」を「いた」と読む常陸の方言に関心を示した水戸光圀が、地名「いたく」の漢字を「伊多久」「板」「板来」から、「潮来」に変えてしまったそうです。
創建・由緒
P158 潮社(いたのやしろ)[末社]
祭神は高倉下命であり、神剣「韴霊剣」(ふつのみたま)を神武天皇にさしあげた神で、本名は天香山命である。
本宮と海岸のほぼ中間に社があり、熊野での功績を崇める意味で祀られているわけだ。

末社 潮社(いたのやしろ)
祭神 高倉下命(たかくらじのみこと)
古くは見目浦の明神とも呼ばれていた
武甕槌神の神剣韴霊剣を神武天皇に献上した神である

潮社(いたのやしろ)は潮宮(いたみや)とも呼ばれ、鹿島神宮の末社で、高倉下命(タカクラジノミコト)を祀っています。神話の中で、神武天皇が目向を発ち東へ進み大和へ向かったとき、長髄彦(ナガスネヒコ)の抵抗にあい、熊野山中で危機に陥りました。このとき高倉下が神武天皇のもとに部霊剣(フツノミタマノツルギ)を持参したとされ、その霊力により軍勢は毒気から目覚め、活力を得て戦に勝利、日本の建国に大いに貢献したとされます。荒ぶる神を退ける力を持つ、この剣は武甕槌命(タケミカズチノミコト)が葦原中国(あしはらなかつくに)を平定したときの剣です。
ところで、鹿嶋の隣まち潮来の地名ですが、古くは伊多久(いたく)とか板(いたく)と称し、その後に板来と称していたのですが、1698年に水戸藩主徳川光圀の命で潮来と改称しました。それは光圀が鹿島に潮宮があって常陸の方言で潮を「いた」と読むことに関心を示したことによるものです。
写真図鑑
社殿周辺の風景











東の海を見つめている


基本情報
社号 | 潮社 |
ご祭神 | 高倉下命(たかくらじのみこと) |
住所 | 鹿嶋市宮中2049-15 付近 |
その他 | ■鹿島神宮 https://kashimajingu.jp |
参考
上記のWeb サイトのほかに、下記を参考にさせていただきました。
- 『鹿島神宮』東 実 著 1968年4年