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八幡神社│佐倉市角来

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佐倉市角来(かくらい)の八幡神社の概要

八幡神社は、創建年不詳、佐倉市角来(かくらい)に鎮座する神社です。

元禄一六年に本殿・拝殿・鳥居を改築した記録から、1703年時点での存在が確認できます。

西印旛沼の南、聖隷佐倉市民病院の所在する台地の東端に鎮座、明治期から終戦期まで村社に列格していました。

佐倉藩の処刑場、江原刑場へ向かう罪人は、当社の前を避け裏手の低地を通ったと伝えられています(「『成田参詣記』を歩く」)。

祭神

祭神

  • 誉田別命(ほんだわけのみこと)…応神天皇と同一

合祀社

  • 日枝神社(元村社で字山王台にあった)…大山祇命を祀る
  • 子安神社
  • 御嶽神社
  • 天神社(元は字辺田にあった)…菅原道真を祀る
  • 『昔日佐倉拾遺録』『千葉県印旛郡誌』の記載をまとめた
  • 合祀社は、本殿に合祀したのか、境内社として遷座したのかは不明

角来の坂と佐倉藩主堀田家に関するエピソード

本社の目の前、角来の坂と佐倉藩主堀田家に関する下記二つのエピソードが伝わっています(『昔日佐倉拾遺録』内田 理彦 著 2016年、『佐倉惣五郎と宗吾信仰』鏑木 行広 1998年)。

佐倉藩主 堀田正信(ほったまさのぶ)

一つ目は1660年、佐倉惣五郎事件で有名な、佐倉藩主 堀田正信(ほったまさのぶ)の話です。正信は、幕政批判の諫書(かんしょ)を提出し無断で江戸から佐倉に帰ってしまいます。お供も連れず一人「平澄」という馬に乗り帰路を急いでいたのですが、角来の当社の前に差し掛かった際、疲れ切った馬が倒れ息絶えてしまいました。人々は、これを惣五郎の祟りと噂しました。現在ここには、馬の供養のための小さな馬頭観音が置かれています。

老中 堀田正亮(ほったまさすけ)

二つ目は1746年に佐倉藩主に任命された老中 堀田正亮(ほったまさすけ)が佐倉を下見に訪れた際の話です。角来村の坂道、当社の前を差し掛かった正亮の前に50歳くらいの老人が現れおじぎをして正亮を佐倉城まで案内しました。城に着いた夜、気になった正亮があの老人は何者だったのかと家臣に問うのですが、この老人の姿は正亮にだけ映り、他の家臣達には見えていなかったことが判明し、佐倉惣五郎の霊だったのでは、ということになります。

正亮は惣五郎のことを心にとめていたのか、のちに角来に前述の馬頭観音を、将門町に「口の明神」を造営したそうです。

参拝日記

拝殿や背の高い樹々はもちろん、佐倉ののどかな田園風景や国立歴史民俗博物館を見下ろせる眺望も大変目を楽しませてくれる、素晴らしい神社です。

個人的な話ですが、筆者はこちらの社が好きで、何度も訪れています。

写真図鑑

社殿


鳥居

舌状台地の端、山の上の白い石造りの鳥居です。見上げた姿も美しいですが、急な階段を登り鳥居付近から見た佐倉の眺望も素晴らしいです。

1700年ごろは丹塗りの木の鳥居だったと記録があります(『佐倉市史料叢書 古今佐倉真佐子』佐倉市史編さん委員会、佐倉市 編集・発行 2017年)。


境内社と仏像

『昔日佐倉拾遺録』に、境内に菅原道真を祀る社があるとありますが、どちらなのか不明です。

不明の社(天神社?)

御嶽神社と出羽三山信仰の石碑

不明の社

不明の社(天神社?)

菩薩像

御神木、境内樹木

公園

その他

当社からの景色

神社からの景色:パノラマ写真

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参拝順路

基本情報

社号八幡神社
ご祭神誉田別命(ほんだわけのみこと)子安神社、御嶽神社、天神社
境内社
由緒・歴史
神紋
本殿の向き
住所佐倉市角来1
その他

参考

下記を参考にさせていただきました。

抜粋

『千葉県神社名鑑』抜粋

八幡神社 旧村社

祭神
誉田別命(ほんだわけのみこと)

由緒沿革
創祀年代は明らかでないが、正徳五年記の当社縁起によって、元禄一六年本殿・拝殿・鳥居を改築したことが知られる。

『千葉県印旛郡誌』抜粋

(二)郷社八幡神社
角来區宇坂にあり応仁天皇及び大山祇命菅原道真を祭る由緒不詳元禄中之を造営すと云ふ明治四十三年三月許可を得て同所字山王台にありし村社日枝神社及同所字辺田にありし無格社天神社を本社に合祀す

本殿間口一丈一尺與行一丈本殿雨覆問口二間三尺五寸奧行三間一尺五寸拜廢間日无問奧行二間五寸境內一千五百五十年市職かり神官は菅康久文郎にして氏子百十三戸を有し管戦思まで四半二十町三十六間あり

境内には神社一社あり即
一、御嶽神社國常立命少彦名命大穴無知命を祭る明治十一年五月十八日許可を得て創立信濃国筑間郡黒澤驛郷社御嶽神社御分霊葛座のものにして石祠高三尺四す市二尺一寸なり[神社明細帳]

書籍

  • 『『成田参詣記』を歩く』川田 壽 著 2001年
  • 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
  • 『千葉県印旛郡誌』印旛郡 編 1913年
  • 『昔日佐倉拾遺録』内田 理彦 著 2016年

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