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金蔵院・長者山・千葉山│千葉市稲毛区園生町

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園生神社コンテンツ

目次

千葉市稲毛区園生町の金蔵院・長者山・千葉山について

稲毛区園生町に鎮座する「園生神社」について調べていると、「金蔵院」をはじめ、「金蔵院裏山」「長者山(金蔵院山)」「星宮塚墳墓群(千葉山)」など、さまざまな地名や史跡名が登場します。

しかし、文献やインターネット上の情報だけでは、それぞれが具体的にどこを指すのか、また、どのような場所なのかが分かりにくいのが実情です。

そこで本稿では、筆者が調査した情報をもとに、それぞれの位置や特徴、相互の関係について整理していきます。

「金蔵院」「金蔵院裏山」「長者山(金蔵院山)」「星宮塚墳墓群(千葉山)」の場所

市立千葉高校と県立千葉女子高校の間を、東西方向に草野都市下水路(以下、草野水路)が流れています。この草野水路の北側の台地に、園生神社の拝殿と本宮が鎮座しています。拝殿は草野水路の沿岸附近、本宮はその北の台地上に所在しています。

そこから東南東方向にある台地の上、現在の穴川インターの周辺は、往昔は「長者山」という地名で、「金蔵院」の所有地でした。「長者山」地区の北部には、塚の密集地帯「星宮塚墳墓群」があり、これらは千葉氏宗家累代のお墓であったといわれています。

明治期の小字と位置

金蔵院

真言宗豊山派の寺院で、草野水路の北側、台地と平地の境目付近に所在しています。住所は、園生町694番地。

千葉寺八十八所の二三番に数えられています(『江戸・東京札所事典』)。

明治期の神仏分離以降、神社とお寺は厳しく切り離されたのですが、当寺の境内にはかなり立派な「園生神社 拝殿」が鎮座しています。鳥居・狛犬・常夜灯・手水・社殿などが揃っており、特に大変立派な社殿が目を引きます。

入口、境内

本堂

お堂

子易大明神

秩父供養塔

仏像

金蔵院裏山

「金蔵院」の裏手(奥、北側)の台地で、上部の平坦地には、現在「園生神社 本宮」が鎮座しています。

往昔、この場所には「園生城址」があり、旧地名では園生町字高崎・古屋敷・西街道・屋敷(金蔵院裏山。古屋敷か)がそれにあたるといいます。周辺の陣屋・馬場の地名とともに、城や館があったことが伺えます。

長者山(金蔵院山、園生町古字長者)

「長者山」は、「園生神社」から少し距離のある、園生町小字「長者」地域のことを指すようです。地名に「山」が付きますが、際立って標高の高い「山」を指すわけではありません。

場所は、穴川駅の北西側階段から、あやめ台小学校周辺までが、「長者山」にあたるようです。詳細な位置は、上記の地図を確認してみてください。

名前がややこしいですが、前述の「金蔵院裏山」とは別の場所です。恐らく、「長者山」を「金蔵院」が所有していたために、「金蔵院山」と呼ばれたのでしょう。

「長者山」の「星宮塚墳墓群」(千葉山)

「長者山」の北東には「星宮塚墳墓群」(園生町444-10)があります。

千葉氏の系図の集大成である『千葉大系図』という書物に、「千葉介常胤」は「下総千葉山」に葬られたと記されているそうです。この「千葉山」というのは、「長者山」地区にある「星宮塚墳墓群」のことであるという説があります。また、「千葉山」は千葉宗家累代の墓所とも伝えらています。

明治39年の調査では、南北約180mの直線状に並ぶ大小13基の塚が確認され、うち現存するのは、大型の塚(星宮塚)1基と小型の塚4基のみとのことです(千葉市HP「千葉山(市指定史跡)」)。

往昔、この塚の上には16基の五輪塔があり、寛文10(1670)年に千葉村の人々によって「大日寺」に移されたと伝えられています。現在、「大日寺」は稲毛区轟町にあり、16基の五輪塔も確認することができます。

長者山の「園生貝塚」

本件とは直接関係ありませんが、「長者山」の南西には「園生貝塚」(別称 長者山貝塚。千葉市稲毛区園生町456)があります。

穴川駅の傍らに、石碑が建っています。

基本情報

参考

下記を参考にさせていただきました。

抜粋

『千葉県神社名鑑』抜粋

園生神社(そんのうじんじゃ) 旧村社

祭神
天御中主命(あめのみなかぬしのみこと)国常立命(くにとこたちのみこと)面足命(おもだるのみこと)伊弉諾命(いざなぎのみこと)伊弉冉命(いざなみのみこと)他八柱

主要建築物
本殿・板葺流造一坪、拝殿・銅板葺流造六坪

由緒沿革
創建年代不詳。明治四一年一二月一八日、同所無格社七社大神と日枝神社を本社に合祀する。

『千葉県千葉郡誌』抜粋

園生神社

都賀村園生宇大屋敷に鎮座す。天御中主命、國常立命、國狭槌命、豊斟淳尊、泥土慈尊、沙士慈尊、大戸之道命、大若邊面足命、皇根命、伊弉諾命、伊弉冊命、大山祇命を合祀す。社殿間口三尺奥行二間三尺、境内七百七十四坪、氏子六十七戸あり。
由緒詳ならざれども、明治四十一年十二月十八日同所西街道の七社大神及谷津日枝神社の二社を本社に合祀す。

『千葉市文化財調査報告 第1集』抜粋

園生村(高三百九十石)

本村の字古屋敷に鎮座する園生神社は天御中主命を主神として、外、十社の神々を祀るお宮で、古くは妙見社と呼ばれていた。千葉家一族及び家来の居住地に妙見を勧請するもの多し。

『市指定史跡「千葉山」の確認調査結果について(報告)』抜粋

(前略)

千葉市稲毛区園生町444-1の一部他

(中略)

『千葉大系図』に記載される、千葉介常胤を葬った「千葉山」とされ、千葉宗家累代の墓所と伝えられる場所である。
現在、稲毛区轟町の大日寺にある16基の五輪塔は、かつてこの地にあったとされ、寛文10(1670)年に千葉村の人々によって大日寺に移されたと伝えられている。
なお、大日寺は戦災によって現在の地に移転しており、以前は中央区院内の千葉神社向いにあった。
明治39(1906)年、安川辰蔵による調査で、星宮塚の他、南北約180mにわたって直線に並ぶ13基の塚が確認され、現在は星宮塚を含む5基の塚が残存している。

(後略)

https://www.city.chiba.jp/kyoiku/shogaigakushu/bunkazai/documents/r7-1_siryou2-1.pdf

『千葉市立郷土博物館:研究員の部屋3』抜粋

園生町(そのうちょう或はそんのうちょう)

(前略)

当町の小字「長者」には貝塚があって、住居跡も発見されています。縄文時代の人々が居住していたことが判明し、古い時代から部落が発生していたことが考えられます。また、小字「長者」地域は、一名「長者山」あるいは、「金蔵院山」と呼ばれて、その地域が千葉家代々の菩提寺跡とも伝えられています。ともかく由緒ある土地柄であることには、間違いありません。

(後略)

https://www.city.chiba.jp/kyodo/katsudo/kenkyuin3.html

『 レファレンス協同データベース』抜粋

稲毛区園生町に跡がある園生城(そんのうじょう)について知りたい。

「園生城とよぶ城址が残り、陣屋・馬場・長者・古屋敷などの地名がある」との記載あり。
『日本歴史地名大系 12 千葉県の地名』(平凡社 1996)p121「園生村」の項

「金蔵院裏山に中世の園生城址がある」
『角川日本地名大辞典 12 千葉県』(角川書店 1984)p505

「園生城址 中世 園生町字高崎・古屋敷・西街道・屋敷(金蔵院裏山) 台地平坦部(22~26) 平山城 丘陵台地・多郭式 昭45 加曾利博確認 周辺に「陣屋」「屋敷」「馬場」「原彫込」などの字名あり」
『千葉市史 史料編 1』(千葉市 1976)p282表「千葉市内の城・館・砦址地名表(渡辺太助・後藤和民作成一九七五)」

https://crd.ndl.go.jp/reference/entry/index.php?id=1000074940&page=ref_view

『千葉県誌 巻下』抜粋

千葉氏古墳

都賀村大字園生字長者山石塔[又星之宮と云ふ]に在り、金藏院所有の林中にて大小の塚十餘所あり、最も大なる者二箇、上に老櫻あり千葉介の塚と云ふ、塚下に小石祠を置き星神宮と刻す。口碑に云ふ、此の地は千葉氏累世の瑩域なり、もと墓石ありしが寛文十年千葉町と境界を爭ひ、園生村の陳ずる所理ありしを以て、此の地同村に屬せり、由りて千葉町の民夜に乘じ竊に墓石を運び去れり、今千葉大日寺の古墓是なりと。或は以て平良文の墳なりとなす。

『千葉県中近世遺跡調査目録 1971 本編 (昭46中近世調査抄報)』抜粋

1.千葉市 [館12、城1、砦3、計16]

園生館・園生町園生神社境内

Webサイト

書籍

  • 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
  • 『千葉県千葉郡誌』千葉県千葉郡教育会 編 1972年
  • 『千葉市文化財調査報告 第1集』千葉市教育委員会 1976.3
  • 『千葉県誌 巻下』千葉県 編 1919
  • 『千葉市史 史料編 8 (近世)』千葉市史編纂委員会 編集 1997
  • 『千葉市史 史料編 1 (原始古代中世)』千葉市史編纂委員会 編 1976

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