鹿嶋市山之上の国土神社(こくどじんじゃ、くにがみじんじゃ)の概要


国土神社(こくどじんじゃ、くにがみじんじゃ)は、創建年不詳、祭神として大己貴命(おおなむちのみこと)を祀る、鹿嶋市山之上に鎮座する神社です。
坂戸神社に代わる鎮守として創建
往古、山之上地区の鎮守は坂戸神社だったようで、坂戸神社が鹿島神宮の摂社となるに至り、新たに鎮守として招き迎えられたのが当社とのことです。
ここで素朴な疑問が湧いてきます。当社と坂戸神社は、下記のように祭神がまったく異なる点です。
- 坂戸神社…天児屋根命
- 国土神社…大己貴命
なぜ、往昔の当地住民は、天児屋根命の代わりに、大己貴命を向かい入れたのでしょうか? 大己貴命を向かい入れるのであれば、武甕槌神や経津主神など、神宮類縁の神々の方が適当だったのでは? とも思われます。
坂戸神社の本来の祭神は大己貴命だった? などと想像してしまいます。
国土神社の読み方
国土神社は、「こくどじんじゃ」「くにがみじんじゃ」と二つの読み方があるようです。
後述の『鹿島町史』を見る限り、地元ではを「くにがみ」と読んでいる雰囲気があります。
当社と似たような近隣の社に以下があり、調査テーマとして面白そうです。
- 國神神社(行方市行方)…大己貴命
- 国上神社(潮来市古高)…祭神不明
- 国神神社(潮来市上戸)…大己貴命
創建・由緒
山之上の国土(くにがみ)神社など
(中略)
祭神 大己貴命
(中略)
ソラ国土(くにがみ)大明神、悪まを払って、ヨイヤサ
ソラ鹿島の大明神、悪まを払って ヨイヤサ
(後略)

国土神社(とくどじんじゃ)は、山之上地区の鎮守の社で、創建は定かでありません。祭神は、『古事記』『日本書紀』に登場する大己貴命(オオナムチノミコト)、別名は出雲大社の祭神で「国譲りの神」とも呼ばれる大国主命(オオクニヌシノミニト)です。大国主命は、国造りの神、農業神、商業神、医療神などとして信仰されていますが、縁結びの神としても知られています。この山之上地区には『常陸国風土記(ひたちのくにふどき)』で鹿島の大神を構成する三社の一つ坂戸神社が鹿島神宮の摂社となるに至り、山之上地区の人々が鎮守の社として招き迎えたとされています。
写真図鑑
社殿周辺の風景






拝殿





手水、石祠



境内風景



参拝順路




基本情報
社号 | 国土神社(くにがみじんじゃ) |
ご祭神 | 大己貴命(おおなむちのみこと) |
境内社 | |
住所 | 鹿嶋市山之上88 |
その他 | ■鹿島市HP 豊郷ものしりMAP https://city.kashima.ibaraki.jp/uploaded/attachment/56290.pdf |
参考
上記のWeb サイトのほかに、下記を参考にさせていただきました。
- 『鹿島町史 第1巻 鹿島の歴史』鹿島町広報課内鹿島町史編さん委員会 著 1972年
- 『鹿島町史 第2巻 鹿島の文化史』鹿島町広報課内鹿島町史編さん委員会 著 1974年