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白山神社│君津市俵田

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君津市俵田の白山神社の概要

白山神社は、685年(天武天皇の一三年)創建と伝わる、君津市俵田に鎮座する神社です。

「国史現在社」のひとつに数えられる古社で、江戸後期までは「田原神社」「白山大権現」と称し、明治初期に「白山神社」と改称されました。

明治期から終戦期まで郷社に列格していました。

祭神

祭神として次の神様が祀られています。

  • 大友皇子(おおとものおうじ)
  • 菊理比命(くくりひめのみこと)
  • 日本武尊(やまとたけるのみこと)
  • 事代主命(ことしろぬしのみこと)
  • 天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)
  • 他二柱

「国史現在社」の「田原神社」

「国史現在社」とは、『延喜式』「神名帳」には記載されないものの、六国史に記載される古社のことを言います。

当社は、上総国に六社ある「国史現在社」の一社で、六国史のひとつ『三代実録』(887年)に「田原神」と記載されています。

江戸後期までは「田原神社」

拝殿に、江戸後期の1829年(文政十二年)作の「田原神社」と書かれた神額があるそうです。

1868年(明治初年度)に、「白山大権現」から現在の「白山神社」に改称したと考えられています。

江戸後期までは、「田原神社」と称していたのでしょうか?

「白山神社」となったのが明治以降とすると、当社本来の姿は、やはり「大友皇子」を祀る俵田の「田原神社」ということになりそうです。

弘文天皇伝説

天智天皇の皇子「大友皇子(= 弘文天皇)」と、天皇の弟である「大海人皇子」との間で後継をめぐる争い(壬申の乱・672年)が起こりました。敗れた大友皇子がこの地へ落ち延びてきたという伝承があり、これを「弘文天皇伝説」と呼んでいます。

「大友皇子」は追討軍に倒され死去しますが、皇子の御所の場所に創建されたのが、当社「白山神社」と言われています。

「皇子が君津に逃れてきたというのは、ちょっと信じられない…」という方も多いでしょうが、君津市を中心に「弘文天皇伝説」に関連する神社がたくさん鎮座しているため、あながち否定もできないような気がします。ちなみに、当社裏の大きな前方後円墳「白山神社古墳」(4世紀)は、時代の整合性が取れないため皇子の墓ではないようです。

ところで、皇子の近臣に「蘇我赤兄(そがのあかえ)」(蘇我馬子の孫)なる人物がいます。皇子とともに流れて来た赤兄の妻または娘などが、千葉市に逃れ、後年彼女を祀り創建されたのが式内社「蘇我比咩神社」であるという説があるようです。

大友皇子に関する社伝

社伝

原文

大友皇子当国に逃れ来当地に築城し白鳳年中皇子有故屠腹の後火縦焚城

現代語訳(当サイト筆者)

大友皇子は当国に逃れて来て、当地に城を築き、白鳳年間(7世紀後半、天武・持統天皇の頃)、皇子はある事情によって自害し、その後、火を放って城を焼いた。

参拝日記

「富崎神社」について現地の方にお話を聞いたいたところ、「白山神社はここら辺の鎮守。絶対に行った方が良い!」とご教示いただき、参拝したところ、大正解。

大迫力の本殿をはじめ、神社境内の各所に見どころが多いのですが、背後の前方後円墳の大きさには驚かされました。保存状態もよく、横から見ても前方後円墳とわかる、きれいな形が残されていました。

写真図鑑

社殿

本殿

鳥居

一之鳥居

一之鳥居

隋神門

狛犬

常夜灯

境内社

『千葉県神社名鑑』に、神明社・菅原神社・子安神社の三社が記載されています。

熊野社・八幡社・天王社・子守社・子安社・皇産霊社・八坂社

水天宮

名称不明の小社

小祠、石碑

手水舎

参拝順路

基本情報

社号白山神社
ご祭神大友皇子(おおとものおうじ)、菊理比命(くくりひめのみこと)、日本武尊(やまとたけるのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)、他二柱
住所千葉県君津市俵田1452

参考

下記を参考にさせていただきました。

抜粋

『千葉県神社名鑑』抜粋

白山神社(はくさんじんじゃ)(通称 白山様(はくさんさま)) 旧郷社
祭神
大友皇子(おおとものおうじ)菊理比命(くくりひめのみこと)日本武尊(やまとたけるのみこと)事代主命(ことしろぬしのみこと)天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)他二柱

境内神社
神明社・菅原神社・子安神社

由緒沿革
社伝に「大友皇子当国に逃れ来当地に築城し白鳳年中皇子有故屠腹の後火縦焚城」とあり、天武天皇の一三年勅使下向し社殿を造営す。『三代実録』第四〇巻に「正六位上建市神田原神並従五位下」とある。古手桶一個を蔵す。皇子の個首を納め奉じて社後に奉葬すという。明治三〇年錦鶏間祗候貴族院議員従三位勲四等子爵平松時厚の白山神社に詣ずるの記等を蔵す。

Webサイト

書籍

  • 『千葉県神社名鑑』千葉県神社名鑑刊行委員会 編 1987年
  • 『房総の古社』菱沼 勇、梅田 義彦 著 1975年
  • 『日本の神々 神社と聖地 11 関東』谷川 健一 編 1984年

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